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和の住まい推進関係省庁連絡会議発行の「和の住まいのすすめ~今に生きる日本の住まいの知恵~」を全14回にわたってご紹介する連載「和の住まいのすすめ」
今回はその第10回目「日射を遮り室内への流入を抑える」です。

日射を遮り室内への流入を抑える

夏や春・秋の暑い日に、住宅内への太陽熱の過度な流入を抑制し、冷房に頼らないでも心地よい室内環境を保つために、とくに日射遮蔽は重要となります。
日本の住まいに古くから用いられた「深い軒」は、太陽高度が高くなる南からの日射を遮るのにとくに効果があります。また、太陽高度の低い西・東からの日射を遮るためには、窓の内外に遮蔽物を設けることが有効です。最近では室内にカーテンやブラインドなどがよく設けられますが、窓の外側に設置する方が日射を遮る効果は高く、古くからの「すだれ・よしず」はとても有効です。安価で取り扱いも簡便なので、窓庇や軒裏などに取付け用のフックを設けるとよいでしょう。これらは日射を取り入れたい冬などには、取り外しできます。最近の外付けのブラインドなども、「すだれ」同様、遮蔽効果の高い建材です。
建物周囲の「植栽」に気を配ることも大切です。落葉樹を窓の位置と方位を意識して植樹する、照り返しを抑制するために建物に近い地表面を芝や土で覆うことなども、日射を遮る工夫の一例です。
また、屋根や外壁は、日射により温度が上がると室内側への放熱が生じるので、それを抑制するために、瓦や板壁を用いた場合でも下地に断熱層、通気層を設ける対策を講じることが望まれます。



外から雨戸、網戸、ガラス戸と障子を複合。季節や気候特性に応じて様々な建具を組み合わせることが大切(写真:古川保/古川設計室)



集合住宅の居室とバルコニーのあいだに土間風の中間領域を設け、建具で仕切り熱の移動を調整(写真:季刊「チルチンびと」(風土社)

和の住まいのすすめ~今に生きる日本の住まいの知恵~(和の住まい推進関係省庁連絡会議 発行)
P13[日射を遮り室内への流入を抑える]より抜粋

過去の関連ブログはこちら

→連載「和の住まいのすすめ」No.01
→連載「和の住まいのすすめ」No.02
→連載「和の住まいのすすめ」No.03
→連載「和の住まいのすすめ」No.04
→連載「和の住まいのすすめ」No.05
→連載「和の住まいのすすめ」No.06
→連載「和の住まいのすすめ」No.07
→連載「和の住まいのすすめ」No.08
→連載「和の住まいのすすめ」No.09

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