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和の住まい推進関係省庁連絡会議発行の「和の住まいのすすめ~今に生きる日本の住まいの知恵~」を全14回にわたってご紹介する連載「和の住まいのすすめ」
今回はその第9回目「自然の風を取込み涼感を得る」です。

自然の風を取込み涼感を得る

蒸し暑いモンスーン気候のわが国では、「夏を旨にすべし」と言われてきたように、住まいに自然の風を取り入れて涼感を得ることが、古来より重視されてきました。
風を取り入れるためには、風の流入口と流出口となる開口部を壁に設けることが必要です。夏や春・秋における敷地の風特性を読み取り、卓越風が当たる壁面に「掃き出し窓」などの大きな開口部や、全開放できる開口部を設けることが効果的です。室内に滞留する空気は温められて上昇しますので、開放できる「高窓」を設けてそこから排出するとともに、室内の低い位置に「地窓」を設けて外部空気を取り入れ、室内空気の循環を促進することも有効です。
開口部の防犯性やプライバシーを高めるためには、大きさを工夫したり、「格子」などを付属させることで対応できます。
室内の通風性や空気循環性を高めるために、平面的には「続き間」を、断而的には「吹抜け」を設けて、連続性・一体性の高い間取りにするとともに、部屋と部屋の問を「引戸」や「欄間」で、開放しやすくしておくことも大切と言えます。
狭小な敷地の場合、「坪庭」や「中庭」を設け、日中日陰となる庭を通じて、温度の上がらない外気を室内に取り入れて、涼感を得る方法もあります。



吹抜けと1階、2階に大きな窓を設置。外部風を取り込み、住宅内での空気の動きをうながす(写真:野村不動産)



リビングに面する引込み形式の全開放できる掃き出し窓。対面にも窓を設けて室内の風通しをよくする(写真:季刊「チルチンびと」(風土社))

和の住まいのすすめ~今に生きる日本の住まいの知恵~(和の住まい推進関係省庁連絡会議 発行)
P12[自然の風を取込み涼感を得る]より抜粋

過去の関連ブログはこちら

→連載「和の住まいのすすめ」No.01
→連載「和の住まいのすすめ」No.02
→連載「和の住まいのすすめ」No.03
→連載「和の住まいのすすめ」No.04
→連載「和の住まいのすすめ」No.05
→連載「和の住まいのすすめ」No.06
→連載「和の住まいのすすめ」No.07
→連載「和の住まいのすすめ」No.08

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