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和の住まい推進関係省庁連絡会議発行の「和の住まいのすすめ~今に生きる日本の住まいの知恵~」を全14回にわたってご紹介する連載「和の住まいのすすめ」
今回はその第8回目「四季の変化を感じ、楽しむ」「光を採り入れる、制御する」です。

四季の変化を感じ、楽しむ

日本の四季の変化は、私たちの日常生活に潤いや豊かさをもたらしてくれます。かつての日本の住まいでは、戸外の植栽や木々などが季節とともに変わっていく様を、室内からも感じ、楽しむことが、大切にされてきました。
庭の各所には花木など「植栽」がきめ細かく施され、「前庭」には季節感を感じるシンボルツリーなどが植えられ、訪れる人を迎えました。
戸外と室内の間の境界には、庭の配置や植栽を考慮して「掃き出し窓」「地窓」などが適所に設けられ、戸外の自然の景観が、室内にいながら様々な場において望まれました。
また、敷地条件に応じ、「坪庭・中庭」を計画して室内と一体性の高い戸外空間をつくり、室内環境を少しでも心地よいものにする工夫が講じられてきました。

光を採り入れる、制御する

かつての住まいには、腰壁のある窓以外に、掃き出し窓、欄間窓、高窓など様々な種類の窓が設けられていました。いずれも採光に効果がありますが、とくに町屋などに設けられていた「高窓」は、室の奥まで光を導き、光の均一性を高める効果があります。
地面で反射した光を軒裏でさらに反射させて光を導くこと、自漆喰などの反射率の高い室内仕上げとすることも、室の奥まで光を導き入れ、明るさを高める効果があります。
これらは室内の明るさの確保に寄与しますが、単に明るさを確保するだけでなく、陰影が生活に情趣をもたらすこともあります。「障子」「すだれ」などを窓に組み合せることで、採り入れる光の量や質を調整し、少し暗くしたり柔かい光にすることもできます。また、プライバシーの確保にも役立てることができます。



キッチン・ダイニングに面する大きな掃き出し開口を通して、庭の緑と季節感を日々感じられる(写真:季刊「チルチンびと」(風土社))



リビングの掃き出し窓に紙障子を設けて、日射をやわらかい光に調整する(写真:季刊「チルチンびと」(風土社))

和の住まいのすすめ~今に生きる日本の住まいの知恵~(和の住まい推進関係省庁連絡会議 発行)
P11[四季の変化を感じ、楽しむ][光を採り入れる、制御する]より抜粋

過去の関連ブログはこちら

→連載「和の住まいのすすめ」No.01
→連載「和の住まいのすすめ」No.02
→連載「和の住まいのすすめ」No.03
→連載「和の住まいのすすめ」No.04
→連載「和の住まいのすすめ」No.05
→連載「和の住まいのすすめ」No.06
→連載「和の住まいのすすめ」No.07

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