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25(火)
和の住まい推進関係省庁連絡会議発行の「和の住まいのすすめ~今に生きる日本の住まいの知恵~」を全14回にわたってご紹介する連載「和の住まいのすすめ」
今回はその第1回目「来訪者を気持ちよく迎え入れる」です。
来訪者を気持ちよく迎え入れる
住まいはその場所に存在している間、様々な人が訪れ、その前を往き来します。住まいを訪れる人が気持よさを感じたり、その前を往来する人が落ち着きや安心を感じられるよう、住まいの外観や玄関構え、門塀、垣、庭などのつくりに配慮することが大切です。
通りに面する花木や生垣などの「植栽」は、道を行く人の目を楽しませてくれます。開放的で、すこしゆとりのある「前庭」は、近隣の方とのおしゃべりの場ともなります。「玄関」は日本の伝統的な習慣である履き替えの場ですが、ここを明るく、ゆとりのある空間とすることで、訪れる人に心地良さを感じさせます。玄関から続くホールに「地窓」を設けて庭の緑が望めるようにする工夫なども、自然の潤いを感じさせる効果があります。
かつての都市の住まいでは、通りに面して「格子」が設けられていましたが、これは風を通しつつ外部からの視線を制御してプライバシーを確保する工夫です。同時に直線で構成される美しく細やかな意匠は、通りから見て閉鎖的な印象を感じさせません。格子は祭りのときなどには外されて、内が外に開放される使い方もされたようです。閉じて断つ、開いて入れる機能を使い分けるその方法は、身近な他者に配慮しながら暮らす上での知恵の現れと言えるでしょう。
京町屋の通りに面した格子は視線の制御と内外のつながりを両立、祭りのときは取り外される(写真:アルセッド建築研究所)
落ち着いたゆとりある玄関ポーチ、玄関の正面は地窓を通して庭の緑を感じられる(写真:季刊「チルチンびと」(風土社))
和の住まいのすすめ~今に生きる日本の住まいの知恵~(和の住まい推進関係省庁連絡会議 発行)
P4[来訪者を気持ちよく迎え入れる]より抜粋
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