テクニカル情報

工事業者・工務店の皆様へ 令和4年1月1日から瓦屋根の緊結方法が強化されます。

いのちとくらしをまもる防災減災。
建築基準法の告示基準(昭和46年建築省告示第109号)が改正されました。


ガイドライン工法※1を踏まえて、告示基準※2を改正

※1 業界団体((社)全日本瓦工事業連盟、全国陶器瓦工業組合連合会、全国厚形スレート組合連合会)が作成した「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」(平成13年8月策定)で示される強風や地震による屋根瓦の脱落被害を防止できる工法
※2 昭和46年建設省告示第109 号

瓦の緊結方法に関する基準(昭和46年建設省告示第109号)

令和4年1月1日以降、瓦屋根は、以下の緊結方法でふく必要があります。


完了(中間)検査時の申請図書

1.新築


改正後の基準に適合する必要

2.増築


改正前の基準でOK

改正後の基準に適合する必要
※「屋根ふき材は構造上分離」していることが前提

3.大規模修繕(全ふき替え)


法令上は改正前の基準でOKだが、
改正後の基準でふき替えることが望ましい

4.既存の建築物


改正前の基準でOK
ただちに改正後の基準への適合を求められることはない

強風対策への補助制度

強風対策として行う屋根の耐風工事等への補助制度があります。
※下記事業は、令和3年度の予算成立を前提としたものです。

住宅・建築物安全ストック形成事業(令和3年度〜)

補助制度が受けられるかは、各自治体にお問合せください。

  • 瓦屋根の耐風診断
  • 補助対象限度額 31,500円/棟
  • 補助率 地方公共団体実施:国1/2
  • 民間事業者等実施:固と地方で2/3
  • 瓦屋根の耐風改修工事
  • 補助対象限度額 24,000円に屋根面積(㎡)を乗じた額
  • 上限2,400,000円/棟)
  • 補助対象率 23.0%
  • 補助率 1/2(国費率11.5%)
※対象区域:DID地区等(基準風速32m/s以上の区域)又は地域防災計画等で地方公共団体が指定する区域。

長期優良住宅化リフォーム推進事業(令和3年度〜)

対象事業に該当する場合、瓦屋根の改修に活用可能です。

対象事業
以下の①、②を満たすリフォーム工事
①インスペクションを実施し、維持保全計画・履歴を作成すること
②工事後に耐震性と劣化対策、省エネルギー性が確保されること
補助率 1/3
補助限度額 100 万円/戸他
※その他条件により補助額加算可

瓦屋根の耐風診断

下表は2次診断(瓦屋根診断技土等による屋根上からの詳細診断)のチェック項目例です。
なお、2次診断の方法については、今後、改訂する「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」に掲載しますので、詳細についてはそちらをご覧ください。

むねの不具合

  • むね瓦が移動していないか(浮き、ずれ、飛散・脱落がないか)
  • むね瓦が損傷・劣化していないか
    (損傷・劣化している場合)
    • 移動・損傷・劣化した部位はどこか
    • どのような金物で緊結していたか

緊結線が破断

平部の接合部

  • 平部の留付け状況(1枚当たりの留付け箇所など)
  • 接合具の状況(くぎ、ねじなどの接合具と長さや形状) など

平部の接合部(めくって確認)

留付け金具なし

軒瓦の接合部

  • 軒瓦の留付け状況(1枚当たりの留付け箇所など)
  • 接合具の状況(くぎ、ねじ、緊結線などの接合具と長さや形状) など

軒瓦の接合部(めくって確認)

緊結線でしっかり留付け

瓦屋根に関する関連情報等

瓦屋根工事にかかる基準

国土交通省ホームページへ


耐風診断・耐風改修

全日本瓦工事業連盟ホームページの「加盟工事店の検索」から、お近くの工事店を検索することができます。

詳細はこちら

なお、耐風診断については、「瓦屋根診断技士」等の資格取得者が在籍している工事店にご相談ください。

その他の問い合わせ先

一般財団法人日本建築防災協会 メールアドレス kenbokyo@kenchiku-bosai.or.jp


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