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代表取締役社長
代表取締役社長
- 1966年(S41) 愛知県刈谷市生まれ
- 1989年(H01) 入社
- 1997年(H09) 取締役に就任
- 2000年(H12) 常務取締役に就任
- 2004年(H16) 代表取締役専務に就任
- 2008年(H20) 代表取締役社長に就任
鶴弥の現状と今後の課題、その対策について
2024年(令和6年)3月期における当社を取り巻く経営環境としましては、世界的な情勢不安が資源・エネルギー価格の不安定化を招くとともに、先進国を中心とした金利政策の結果、日本国内においてインフレ高進と円安による物価高が実質賃金の減少を引き起こす等、厳しい状況が継続することとなりました。
このような環境下、当社としましても適正な利益水準を確保するべく販売価格の改定を実施し、その浸透に注力いたしました。しかしながら、国内の住宅事情は、住宅価格上昇の一方で、個人の所得環境や今後の景気動向の先行き不透明感から消費者マインドが低下し、需要そのものが減少した結果、売上高は減収となりました。
製造面では、原材料や鋼材、木材、石油製品や運送費の上昇といったコスト増加があったものの、人員配置の見直しや、エネルギーの効率的利用の促進等の対策を行った結果、前事業年度の営業損失計上から一転、営業利益の黒字回復を達成しました。また、次の展開としてAI技術を活用した粘土瓦の外観自動選別の実用化を図る等、現状に満足することなく引き続き自助努力を進めてまいります。
今後につきましては、新たに中期経営計画(2025年(令和7年)3月期~2027年(令和9年)3月期)を策定し、「挑戦~未来と自分は変えられる~」をビジョンとして、①粘土瓦事業の進化と深化、②陶板事業の拡大、③新領域への挑戦、④経営基盤の強化、の4つの行動指針を定めました。加えて、2024年(令和6年)7月から製商品価格の改定を予定しており、適正な価格水準の維持に努めるとともに、屋根周辺副資材や金属屋根材等の商品の取り扱い拡充、一層のコスト削減や資産の有効活用を進め、利益体質の改善を図っていく所存であります。
また、当社の置かれている市場環境は、引き続き予断を許さない状況にあり、動向を注視するとともに、経営管理体制の強化を図り、柔軟で迅速な経営判断を行ってまいります。
これら戦略を着実に進捗させる一方、陶板事業をはじめとした新事業や研究開発活動等の先行投資は積極的に行い、引き続き長期的な視点での企業経営に邁進してまいります。
持続可能な社会の実現に向けた取り組みについて
現在、地球規模の持続可能性について世界的に危機意識の共有が進む中、企業は事業活動そのものを通じて、社会、経済、環境といった多様な側面の課題解決を図るべきであるという考え方から、特に「持続可能な開発目標(SDGs)達成への取り組み」に注目が集まっております。
このような社会的要請を受け、当社は、持続可能な開発のために国連が定める国際目標である「持続可能な開発目標(SDGs)」について、当社の指針となる鶴弥のサステナビリティ・ビジョンを次のとおり定め、その実現に向けて活動を推進しております。
鶴弥のサステナビリティ・ビジョン
当社は、国民生活の基盤である「住まい」に関わる企業として
安心・安全な製品を皆様にお届けするという事業活動を進め
同時に、ジェンダー平等や自然環境への配慮といった項目を中心に
従業員をはじめとしたすべてのステークホルダーからの期待に応えることで
持続可能な社会、循環型社会の実現に貢献します
達成に向けての具体的項目
1. 鶴弥は日本の住文化を守ると同時に、安全かつ強靭(レジリエンス)な住居の提供に貢献します
2. 鶴弥はジェンダー平等を達成し、安全で働きがいのある職場づくりを進めます
3. 鶴弥は生産活動における環境への影響を低減し、低炭素社会の実現と地球環境との共生を進めます
4. 鶴弥は限りある天然資源の有効活用、循環型社会の構築に貢献します
2024年(令和6年)3月期における活動
2024年(令和6年)3月期においては、このサステナビリティ・ビジョンの達成に向け、日本の住文化を守ると同時に、安全かつ強靭(レジリエンス)な住居の提供に貢献するという側面から、2023年(令和5年)10月に建築家、建築・設計関係者様と当社とをつなぐWEBメディア「ヒトツチ」の開設を行いました。
また、限りある天然資源の有効活用、循環型社会の構築に貢献するという側面から、同じく2023年(令和5年)10月にアップサイクル型の粘土瓦(いぶし瓦)を企画・発売いたしました。
2024年6月24日